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Tomorrowland Meets Tomo Yamashita【山下智久さんインタヴュー】

投稿日:2020年9月14日 更新日:

先日YouTubeで、「Tomorrowland」(毎年ベルギーで開催される音楽イベント)が山下智久さんに英語でインタヴューする動画が配信されました(こちら)。

本ブログでは以前、海外ドラマ『THE HEAD』を紹介したときに山下さんの英語を取り上げました(ご興味ある方はこちらの記事もご覧ください)。

本記事では、ある意味形を変えたその続編として山下さんのインタヴュー動画の日本語訳を紹介いたします。

なお、翻訳は重要な箇所を中心に最大限網羅的に行いましたが、一部カットした部分もあります。何卒ご了承ください。

✔︎ 本記事のテーマ:

「Tomorrowland」が山下智久さんに英語で行ったインタヴューの日本語訳を紹介する

✔︎ 本記事のフローチャート:

  1. インタヴュー(日本語訳)の紹介
  2. インタヴューででてきた有益な英語フレーズをピックアップ

1. インタヴューの紹介 

*Asterはインタヴュア、Tomoは山下さんです。

【バックグラウンド(0:30-)】

Aster:少しでよいのであなたのこれまでのストーリーをお話してくれませんか? あなたは日本ではスーパースターですよね。

Tomo:そうだといいんですけど。

Aster:(笑)あなたはテレビに出ていて、俳優でもあり、歌手でもあるんですよね。思いつくままに答えてもらってよいのですが、どのようにキャリアをスタートさせたのですか?

Tomo:僕が10歳のときに、テレビで何人かの男の子たちのグループが踊ったり歌ったり、それに演じてたりするのを見たんです。それですぐに、「あ、これが自分のやりたいことだ」と思いました。それで応募して何回かオーディションに行ったんです。それからこれまでタフな時間が続きましたけど、でもその価値はあったと思っています。僕は人々を幸せにするのが好きですし、だからこの仕事を楽しんでやっています。

【日本での生活(1:30-)】

Aster:今の日本での生活はどうですか? 想像するに歌手としての生活はそれほど簡単ではないですよね。

Tomo:んー、難しい時期が数ヶ月続きましたけど、なんというか日本人は強い気持ちを持っているので、みんなでこの困難を乗り切れると思っています。それに僕たちは、より明るい未来にみんなで向かうためにできる限りのことをしています。

Aster:なるほど。今は全然歌ってないんですよね。ライブもコンサートもなし?

Tomo:今はコンサートをするのは難しいです。でも先日『Nights Cold』というシングルをリリースしました。だからこの夏はテレビではパフォーマンスできたんです。でもファンと直接会えないのはとても寂しいです。だから、できる限りインスタグラムでいろいろアップロードするようにしています。そうすることで、ファンとの隙間を埋めることができると考えています。

【アクターとして(2:35-)】

Aster:今は演じることに力を入れているのですか?

Tomo:そうですね、自分としては音楽と俳優の両方に力を入れたいと思っています。ただ、僕はちょうど『THE HEAD』という海外テレビドラマを終えたところなんです。それは本当にすばらしい経験でした。ジェットコースターみたいな、というか。すべての瞬間が大好きでした。キャストは世界中から集まっていました。最初は困難があったのですが、でも素晴らしいキャストやクルーのおかげで乗り切れました。彼らがすごく助けてくれたんです。ともかく素晴らしい経験でした。すぐに解け込むことができました。 ドラマはスペインのテネリフェ島で撮影をしたんですね。そこに到着したときのことは絶対に忘れられません。撮影現場でみんなに挨拶されて、それでキスとかハグとかされたんです。それって、僕にとっては新しい経験だったんですよ。(中略)でも僕はそれが好きでしたし、現場の雰囲気をつくっていくのにすごくいい方法だと気がつきました。

Aster:そうなんですね。日本でも同じようにできそうですか?

Tomo:そうですね、できると思いますよ。でもまずは挨拶の一部として物理的な接触をしても大丈夫な環境を早くまた持てたらよいなと思っています。それは、人間として僕たちをつなげるもう一つの方法ですから。

Aster:そうですね。いろいろな文化もつなげますよね。あなたがテネリフェ島にいるときに、あるいはスペインやヨーロッパにいるときに何かこれは日本と違うなと気がついたことはありますか? 多分たくさんあるのでしょうけれど、中でも一番重要なものといったら?

Tomo:んー、そうですね、それはランチタイムだと思います。僕たちはいつもいっしょにランチをとっていたんですね。料理がとても美味しかったんです。それで、スペインから帰国して、気がついたらまだオリーブオイルを探している自分がいました。

Aster:そうなんですね(笑)。日本ではオリーブオイルは見つかりましたか?

Tomo:はい、いろいろな種類を見つけました。それで今オリーブオイルについて勉強しているんです。

Aster:なるほど(笑)。(中略)想像するに、おそらくあなたはこれからもっと国際的な経験を積みたいと考えていますよね。

Tomo:そうですね、もちろんです。やりたいと思っています。『THE HEAD』はまったく新しい経験でしたから。たくさんのことを学びましたよ、間違いなく。いろいろな技術だったり、文化に関することだったり。本当にすごい経験でした。だから、キャストとクルーにはとても感謝しています。

【インフルエンサーとして(6:05-)】

Aster:トモ、あなたのことを見ていて、あなたのようになりたいと思っている若い人たちに何かアドバイスはありますか?

Tomo:そうですね、僕は若い人たちには夢を追い続けてくださいと言いたいです。それで、みんなで一緒により明るい未来に向かっていけたらいいです。今はなかなか互いに近づくことが難しい環境にありますけど、みんなで力を尽くしてお互いに手を差し伸べあっていけることを願っています。

2. 有益な英語フレーズ

*表記にかんして

  • “sb”は”somebody”の略で「人」を表します
  • “sth”は”something”の略で「もの・こと」を表します
  • thanks for having me today:今日は呼んでくれてどうもありがとうございます(*インタヴューの冒頭に頻繁に使われる表現です。”having me”がポイントですね。)
  • to get through sth:〜を通り抜ける
  • in person:じかに、直接
  • to bridge the gap (between A and B):AとBの間の隙間を埋める、AとBの間に架け橋をかける 
  • to reach out to sb/sth:〜に手を差し出す、〜に働きかける(*日本のビジネスシーンでも最近「新しい顧客にリーチアウトする」のような感じで使われるようになりました)
  • to get used to sth:〜に慣れる
  • to break the ice:場をなごませる、堅苦しい(気まずい)雰囲気をほぐす(*日本でも「アイスブレイクの時間」のような表現で用いられるようになりましたね)
  • to search for sth:〜を探す(*”search sth”との区別が重要です。”search sth”だと「〜の中を探す」の意味になります。例えば、search the carは「車の中を探す」であるのに対して、search for the carは「車を探す」の意味になります。)
  • definitely:確かに、間違いなく(*会話で”Yes”の強調のような意味でよく使われます。「絶対だよ」とか「間違いないよ」のようなニュアンスです。”absolutely”も同様の意味で、同じくらいの頻度で使われます。)

まとめ

英語学習のみならず勉強やその他何か打ち込まなくてはいけないことに身が入らないときは、山下さんのような道を切り開いて行っているインフルエンサーの動画をみてモチベーションを回復するのもよいですよね。

山下さんの英語はとてもよかったです。自分の言葉でしっかりと語っていましたね。口を適切に動かして表現しているのも非常に印象的でした。

We are looking for the light at the end of the tunnel!

ブログ主のプロフィール:

大学で英語とイギリス文化を教えています。イギリスに5年間留学して博士になりました。本ブログでは、主に英語学習とイギリスの歴史や文化について記事を書いています。

Twitter: https://twitter.com/camp_hakase

-インタヴュー, 海外ドラマ

執筆者:


  1. sunao より:

    山下さんの動画見ました。私は、英語が分からず、でも下に出ている英語を見てこんな感じかな?と訳してました。日本語にしていただきありがとうございました。
    山下くんの顔をみながら英語勉強できるの楽しいですね。

    • hakase より:

      sunaoさん、コメントありがとうございました。そのように言っていただけると記事を投稿してよかったと思えます。
      これからも山下さんの英語を使ったキャリアを追いかけていくつもりです。今後ともよろしくお願いいたします。

  2. hono より:

    カムパネルラ博士、はじめまして。山下さんの海外進出を機に、英語の勉強を始めたものです。楽しく読ませていただきました。有益な英語フレーズのおまとめもありがとうございます。活用させていただきます。実は一つ質問があります。こちらの動画のオープニングで、山下さんの回にはEMBRACING UNITYというサブタイトルがついているのですが、これは日本語に訳すとどのようになりますか?自分ではマッチする言葉がよく分からないので、教えていただけましたら幸いです。よろしくお願いします。

    • hakase より:

      honoさん、メッセージありがとうございます。山下さんきっかけで英語の勉強を始められたのですね。それを聞いたら山下さんもきっと喜ばれるのではないかなと想像いたします。
      ご質問の件です。Tommorowlandはインタヴューの相手の特徴を動画の冒頭で短く表現しているようですね。山下さんの場合は、”EMBRACING UNITY”ですね。これは直訳すると「調和(あるいは一緒にいること)を抱きしめる」ということなのですが、おそらくここでは「一緒にいること・つながっていることを大切にする」というような意味なのかなと思います。インタヴューの中で、山下さんは、コロナの影響もあってファンとなかなか会えないからインスタをなるべく更新しようとしているとかファンを思う気持ちを吐露していましたし、日本人はコロナという大変な状況でもみんなで乗り切ろうとしているとも言っていました。ですから、そういうことを全部をひっくるめた言葉として、「人と人が繋がっていることが大切」という標語が選ばれたのかなと思います。それと、『THE HEAD』はいろいろな国籍・社会的バックグラウンドをもったキャストが出演しましたね。その中に山下さんが入っているということも関係しているように思います。山下さん個人の気持ちと社会的状況がマッチしたとてもよい標語だと思います。
      honoさんにご指摘いただくまで気がつきませんでした。ありがとうございました!

      • hono より:

        博士、こんにちは。お忙しい中お時間割いていただき恐縮です。大変丁寧でわかりやすいご解説をありがとうございます。おかげさまで標語のイメージがストンと気持ちの良いところにおさまりました。山下さんは世界に向けてメッセージを届けるにふさわしいインフルエンサーであることをあらためて感じ、ファンとしてもより一層誇らしい気持ちになりました。山下さんの大きな愛も感じとれる素敵な標語ですね。山下さんご自身も歌手、俳優、アイドルでもあることの”調和”を大切にされていると思いますし、ファンが求めるものとの擦り合わせをいつも考えてくださる方なので、そう言う意味でも博士の訳されたEMBRACING UNITYがとてもしっくりきました。一つの単語からたくさんのイメージが膨らむことにも英語の魅力を感じ始めたこの頃です。また勉強に来させていただきます。これからも投稿楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。

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