
英語学習に日々取り組んでいる、あるいはこれから英語を勉強したいと思っている人の多くは、次のように考えているかもしれません。

「英語の試験ってTOEICとかTOEFLとか種類がいっぱいあるけど、結局どれを受けたらいいんだろう…?」
とっても理解できる問いです。確かに悩みますよね。 しかし…
もしもあなたが留学や昇進など特定の目的をもたず、ひとまず英語学習を進める上でペースメイクしてくれる試験がほしいと考えているというのでしたら、答えは一つです。
それは「英検」です。
ではなぜ英検がよいのでしょう。
本記事では、実際に英検1級をもっており、大学でも学生に英検について指導してきた私が、様々な英検のメリットのなかから4つを取り上げ紹介していきます。
✔︎ 記事のテーマ
→ 英検の4大メリットを紹介します。
✔︎ 英検の4大メリット
- 4つの技能を問う試験である
- 受験料が「安い」
- 永久に履歴書に書ける
- 実は留学にも使える
以上です。
それでは、さっそく順番にみていきましょう。
メリット1:4つの技能を問う試験である

言うまでもないことかもしれませんが、言語は以下の4つの技能でなりたっています。
- 話す能力(speaking)
- 聞く能力(listening)
- 書く能力(writing)
- 読む能力(reading)
ということは、英語学習においても、これら4つの技能をバランスよく向上させていくことが正解といえますよね。ですから、英語試験もこれらすべてを問うものがベストです。
そこで、英検です。
英検は、以上の4つの技能を問う試験です。
英検とおなじくらい一般的になじみのある英語の試験はTOEICでしょうが、TOEICは「聞く」と「読む」のインプット系の二つの技能しか問いません。つまり、「話す」と「書く」のアウトプット系の技能は問われないのです。ですから、「TOEICで高得点をとっても英語ができるわけではない(=英語が話せるわけではない)」と長いあいだ言われてきたのです。
(最近では、TOEICも「話す」と「聞く」を問う”Speaking & Writing Tests”を開始しました。これについては、また今度くわしく記事にまとめようと思います。)
4つの技能をきちんとテストし、それぞれのレベルを個別に明らかにしてくれる英検は、明らかに大きなメリットがあります。自分の総合的な英語能力を知りたいと思っている人にとって、英検を受験することは非常に理にかなっていると言えます。
メリット2:受験料が「安い」

「メリット1」で4つの技能を問う試験がベストと述べましたが、もちろん、こうした試験は英検だけではありません。例えば、IELTSやTOEFLも4つの技能を問います。
しかし、IELTSやTOEFLと比較して、英検は受験料が安いという大きなメリットがあります。比較してみると一目瞭然です。
まず、IELTSとTOEFLの受験料をみてみましょう。
- IELTS:25,830円(税込)
- TOEFL:235USドル(*USドルと日本円の交換レート次第ですが、IELTSの受験料とそれほど変わりません)
とーっても、高いですね! IELTSとTOEFLは主に留学するときに受験が求められる試験ですが、今のところ留学を予定しているわけではないよという人にとって、進んで受けてみようとはなかなか思えない金額です。
ちなみに、TOEICの受験料はどうでしょうか。
試験内容 | 受験料(税込) |
L&R Tests(リスニング・リーディング) | 6,490円 |
S&W Tests(スピーキング・ライティング) | 10,450円 |
いわゆるTOEICといえば上のL&R Testsを指しますが、これだと6500円ほどとかなりお得です。TOEICが受験しやすい理由の一つですね。ただし、これに加え、「話す」・「書く」のアウトプット系の試験も受けたいと思った場合は、それなりのお値段になってきます。
それでは、英検の受験料はどうでしょうか。最後にみてみましょう。ちなみに、英検は、級によって受験料が異なります。
級 | 受験料(税込) |
1級 | 10,300円 |
準1級 | 8,400円 |
2級 | 7,400円 |
準2級 | 6,900円 |
3級 | 5,900円 |
4級 | 3,600円 |
5級 | 3,000円 |
最近受験料の改定があり全体的に少し値上がりしましたが、それでもまだかなり安いですね。一番高い「1級」でも1万円ほどです。(ただし、受験料は時々変わりますので、受験前に英検HPで確認するようにしてください。)
なお、英検は、2018年からCBT(Computer Based Testing)という受験方法を開始しました。これだと、受験料は全体的にさらに安くなります(ただし、1級にかんしてはまだ導入されていません)。詳しくは、こちらをご覧ください。
受験料が安いと、当たり前ですが、「受験してみよう」という心理的ハードルはぐっと低くなりますよね。英検が長らく多くの人に利用されてきた理由の一つがここにあると言えます。
メリット3:永久に履歴書に書ける

意外と知られていないかもしれませんが、多くの英語試験には「有効期限」があります。だいたい2年間と設定している試験が多いです(例えば、TOEIC、TOEFL、IELTSのスコアの有効期限はいずれも2年間です)。
ですから、英語の試験の成績を履歴書に書きたいと思っても、その成績が2年以上前のものである場合、原則として使うことはできません(「参考記録」のような形で、履歴書に書く人は割と多いかもしれませんが)。
しかし、英検は、試験に合格した場合、基本的にずっと履歴書に書くことができます。極端な話、例えば、英検1級に合格したのが10年前だったとしても、履歴書に書くことができるわけです(もちろんそれをどう受け取るかは人事担当者次第ですけれど)。
「英検合格」は「永遠に失うことのない資格」です。それだけ英検合格には価値や重みがあると考えられている証拠でしょう。
メリット4:実は留学にも使える

「メリット3」と同様に意外と知られていないことですが、英検は、海外留学するさいに提出が求められる英語能力の証明に使うこともできます。英検は、オーストラリアとアメリカの中学校・高校・大学の多くと提携しており、留学をサポートしています。
求められる級は、オーストラリアとアメリカともに、おおよそ以下のとおりです。
- 中高:準2級以上
- 大学:準1級以上
もちろん、オーストラリアとアメリカのすべての中学校・高校・大学への留学に英検が利用できるわけではありません。しかし、おそらく今後、利用できる教育機関は増えていくことでしょう。
どの教育機関であれば英検を利用して留学することが可能なのか、どのようにして応募できるのかなどについてもっと知りたい方は、こちらをご覧ください。
なお、ひとつ注意点ですが、履歴書に書く場合と異なり、英検を留学で用いる場合は、有効期限が発生します(2年間)。この点はご注意ください。
まとめ
以上、英検の大きなメリットについて整理してきました。
もちろん、TOEIC、TOEFL、IELTSといった英語試験も非常に有益です。就活、昇進、留学などはっきりとした目標がある方は、これらの試験にどんどん挑戦してみるとよいでしょう。
しかし、あらためて強調しておきますが、そうした明確な目標はないけれど、英語学習を動機づけてくれる試験がほしいと思っている方にとっては、英検はとっても便利な試験です。
級に分かれていて、結果が合否で出るというのもシンプルでよいですよね。
英検をつうじて、みなさんの英語能力がさらに向上することを祈っています!
ブログ主のプロフィール:
大学で英語とイギリス文化を教えています。イギリスに5年間留学していました。英検1級。本ブログでは主に英語学習とイギリス文化について記事を書いています。
Twitter: https://twitter.com/camp_hakase
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